日本財団 図書館


 

うって倒れる木下だったが、その傷めた足での中段蹴りで一本を奪うなどした木下が4−2として3勝。国士舘人が近畿大に続いて関西の強豪・大商大をも除し、まさかまさかの決勝進出を果たした。

一方の準決勝は日本大VS日本体育大の対戦となり、4勝1敗とした日本大が5年ぶりに決勝進出。実に7年ぶりの関東勢同士の決勝村戦となった。

関東の雄・日本人は先の関東大会では3回戦で国士舘大に1ポイント差の惜敗を喫しているが、今大会では準々決勝でもvs天理大に4勝−敗、4回戦で山場と思われた九州産業大に対しても3勝0敗と、余裕を見せながら勝ち上がってきている。

「ベストメンバーで臨んでいるが、こればかりはやってみないとわからない。関東大会の時のようなこと(国士舘大に惜敗)にはならないようにしたい」という日本大・田辺文博監督。

先鋒戟、日本大・榎戸忠明(4年)VS国士舘大・高木泰信(2年)。これは日本大主将の榎戸が開始早々に上段突きを極めてペースをつかみ、そのまま突き技で4ポイントを連取して4−0で日本大が1勝。続く次鋒戦、日本人・小島一友(3年)VS国土舘大・仮東秀和一4年一。

板束には大商大戦で見せた動きの良さが見られず、逆に小島の突きが冴え4−0と圧勝。日本大、これで2勝目を上げる、全日本制覇に王手をかけた日本大は中堅に亀剛彦(2年)が登場。一方の国士舘大は細矢人一3年一、「自分で決めてやろうと思で燃えた」という亀は途中、足をつる場面もあったが、残り時間20秒のところで放った上段突きが決まって1−0として日本大に3勝目をもたらした。

残る副将戦、日本大・嵩不敏文(2年)VS国士舘大・笠木大輔(4年)は2−0で笠木が勝つも、大将戦、日本大・保谷剛央(3年)VS国士舘大・木下智天(4年)では3−2で保谷が勝ち、最終スコアを4勝1敗とした日本大が関東大会の雪辱を晴らし6度目の全日本制覇を果たした。

優勝した日本大・田辺監督は、関東大会で(国士舘大に)負けたことが逆にバネになった。同じところに2度は負けられない。楽な試合はなかったが気持ちで押していった。今回は負ける要素がなかったことが勝因だと思います(笑)」と語った。また、先鋒として主将としてチームの牽引車の役割を果たした榎戸忠明は「出場メンバーの中で4年生は自分ひとりだったのでがんばらなきゃと思いましたが、いい結果が出て嬉しい、この伝統を後輩たちに引き継いで欲しい。4年間、いい思いでができました」と語った。

一方、関東大会に続いて準優勝となった国士舘大。大木場悦監督は「うちは(特待制度がないため)エリートがいない。

本当に国士舘で空手をやりたいという雑草のような連中ばかりが集まっている。

途中、当てられ過ぎという場面もあったが、このメンバーで準優勝というのは信じられない」と、準優勝という成績に素直に喜びを表した。

 

009-1.gif (267181 バイト)

 

女子は関西対決!!

近畿大、天理を降し3年ぶりの優勝!!

 

「女子も男子と同じ練習を毎日やってきたのでみんなの力を出しきればいけると思った。チームワークも最高です」と近畿大・朴原監督。女子は近畿大が3年ぶりに全日本を制した。

近畿大は、緒戦を金江仁美(2年)朴原美智代(2年)・キャンプテンの佐藤郁子(4年)の3人で順当に勝ち上がる。しかし3回戦の帝京大戦で金江が足を故障、準決勝からは一年生の金子ひと美と交代となった。その近畿大は準決勝、京都産業大を降し決勝進出を決めた。

一方のブロックからは昨年の全日本優勝校の天理大が、準決勝で東日本・関東チャンピオンの日本大を1勝1敗の内容で勝ち昨年に続いて決勝進出を決める。

決勝戦。近畿大vs天理大の対戦は先鋒戦では、近畿大・佐藤と天理大のユース、藤岡映里(2年)一の対戦となった。「最後の大会なのでやるしかない。次につなげたい」という佐藤が、今年の学生世界チャンピオンの藤岡を相手に1−1の引き分けとする。続く中堅戦は近畿大・朴原VS天理大・岡野愛子(3年)。佐藤の踏ん張りに答えた朴原は、立て続けに上段突きを決め3−0で近畿大に貴重な1勝をもたらす。

最後の大将戦。近畿大・金子VS天理大・伊藤亜弥(3年)。天理大はここで3ポイント差以上つけて勝たなくては優勝は無理。しかし、試合開始早々、倒れた伊藤のスキを逃がさなかった金子が上段突きで1本を決める。思いがけない金子の活躍に近畿大から歓声が沸く。金子はその後ポイントを重ね30で勝利。これで近畿大は3年ぶり2度目の優勝に輝いた。

 

009-2.gif (164569 バイト)

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION